情報システムのパラダイム転換 9
SISによって大幅なシェアアップを実現した例は、必ずしも多いとは言えません。
もし、あらゆる業界でSISが寡占化をもたらしたら、それはそれでまた独占禁止法上問題です。
中には、宅配便やCRSのように後からの参入が非常に難しい場合もありますが、全く新しいマーケットだったからこそ可能だったのです。
それに先行した企業が、クール宅急便や旅行情報の充実などといった戦略の拡大で、つねにSISを進化させていった結果でもあります。
むしろ、多くの業界ではSISだけでシェアが変動することは稀でしょう。
コンビニエンスストアは店舗の立地商売であって、セブンイレブンや他のチェーン同士の売上競争にSISが影響しても、SISがなければコンビニエンス・ストアのビジネスができないというわけではありません。
要するに、業種によって"SIS効果"や"SIS進展度"は違うのであって、SISへの取り組みの必要性もおの
ずと異なってくるのです。
SIS進展度の高い業界、例えば宅配便やCRS、日用品など、製品やサービスの差別化がしにくかったり、マーケティング指向の強い業界では、SISを構築しなければ明らかに競争に負けてしまいます。
ただ、構築しても必ず生き残れるとも限りません。
ですから、宅配便からは撤退や事業縮小が相次ぎ、日用品業界ではトップの花王に対抗するため、ライオンなどライバル同士が大同団結して協同の受発注VAN会社プラネットを設立したりしているのです。